日本=南ア共同 宇宙科学コロキウム(2012年10月開催)

更新日:2012/11/20

Space Science Colloquium: Promoting Space Exploration and Earth Observation — Contribution of Japan and South Africa to Humanity

日時: 2012年10月4日(火)
会場: Sanlam Auditorium, University of Pretoria

参加者:
H. E. Naledi Pandor(南アフリカ共和国科学技術大臣)
Prof. Cheryl de la Rey(プレトリア大学学長)
吉沢 裕(在南アフリカ共和国日本大使)
岡庭 健(在南アフリカ共和国日本公使)
Prof. Shaukat Abdulrazak(ケニア共和国科学技術評議会事務総長)
白石壮一郎(日本学術振興会ナイロビ研究連絡センター所長)
ほか、参加人数およそ80名。

主催:
南アフリカ共和国科学技術省 The Department of Science and Technology
在南ア日本大使館 Embassy of Japan in South Africa
日本学術振興会ナイロビ研究連絡センター JSPS Nairobi Researh Station
プレトリア大学 The University of Pretoria

一般にはあまり知られていないが、南半球で宇宙科学がさかんな地域は南米(チリなど)、オーストラリアと並んで南アフリカ共和国(以下「南ア」)である。また南アは、経済だけではなく、宇宙科学をはじめ諸科学の調査研究成果について、サハラ砂漠以南アフリカの最先進国である。今回のコロキウムは、南アが国家的に取り組みを続けている宇宙科学について、日本側と南ア側の研究者がその最新研究動向を紹介し合い、将来的に学術交流をすすめる端緒となるような情報交換と人的交流との機会をもつことが目的であった。学期休暇中とあって、学生の姿はみえなかったものの、聴衆には南ア国内の宇宙科学の若手研究者や関係者はじめ73名が集まり、この国の研究者、関係者の層の厚さが伺えた。開催翌日のメディアにはNaledi Pandor大臣の関連コメントが寄せられており、このコロキウムのインパクトが伺えた。

当日の講演者と講演内容は以下のとおり。

  1. 1. Impact of Science and Technology on Society in Eastern Africa
    Prof. Shaukat Abdulrazak, (CEO, National Council for Science and Technology of Kenya)
  2. 2. 12 years activity of IRSF, a 1.4 m Japanese telescope in South Africa
    Dr. Takahiro Nagayama, (永山 貴宏 特任助教、名古屋大学大学院理学研究科)
  3. 3. SANSA Space Science Operation
    Dr. Lee-Anne McKinnell, (SANSA Space Science)
  4. 4. Cosmic Ray and Climate Change
    Prof. Hirohisa Sakurai (櫻井 敬久 教授、山形大学大学院理学研究科)
  5. 5. Earth Observation
    Dr Jane Olwoch(SANSA, Earth Observations)
  6. 6. The societal benefit of earth observation in a South African context
    Dr Waldo Kleynhans(University of Pretoria, Earth Observations)
  7. 7. Small Satellite development experience in Japan
    Prof. Shinichi Nakasuka (中須賀 真一 教授、東京大学大学院工学研究科)
  8. 8. Small Satellite development experience in South Africa
    Prof. Robert van Zyl (Cape Peninsula University of Technology)

* 詳しいプログラム内容は → こちら

【写真1】発表するShaukat Abdulrazak教授(ケニア科学技術評議会)

【写真2】発表する永山貴宏博士(名古屋大学)

また、コロキウム開催翌日には関連機関である南アフリカ宇宙開発庁(SANSA; South African National Space Agency) などを訪問し、研究員より観測施設と研究内容のガイダンスを受け、施設内の視察をおこなった。参加した日本人研究者3名の方々も、南アの宇宙観測の最前線を実地で見聞することができ、非常に有意義であった。

また、滞在中には南アフリカ国立研究財団(NRF;National Research Foundation)やプレトリア大学国際連携機関の要職者らとも会見し、学術交流の端緒をつくるという当初の目的をじゅうぶんに達成することができたと思う。在南ア大使館の方々ともお話ししたことだが、南アはサハラ以南アフリカ諸国のなかで、科学技術の分野でも他国に対して影響力が大きく、ロールモデルとなりうる国である。これからも、同国との学術的な連携を強めていくことが、サハラ以南アフリカ全体への波及効果を考慮しても、より重要となってくるとの実感を得た。

(白石 壮一郎)

謝辞

以上のコロキウム開催にあたって、会場手配や現地機関との連携等に関しては、在南アフリカ共和国日本大使館専門調査員の山田菜美子さんにお世話になりました。記して感謝します。

【リンク】 当日のNaledi Pandor科学技術大臣開会スピーチ (南アフリカ共和国政府のwebページ)

【リンク】 Space Science Colloquium (在南アフリカ共和国日本大使館のwebページ)

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