更新日:2009/06/15
このところ、センターの支援する行事が続いてオフィスが活気付いていると共に、支援内容をめぐって時に厳しい折衝となることもあり、オフィスに緊張感も感じられる。
一つは、5月28、29日に開催された、野口英世アフリカ賞一周年記念行事。受賞者であるミリアム-ウェレ教授が発起人となり、日本側からは在ケニア日本大使館、JICA、学振の三者が支援した。野口賞をめぐっては、昨年も日系政府機関三者で行事を共催したこともあり、日系機関連携の好例となっている。
実際の行事においては、ケニアのワタングラ外務大臣、岩谷駐ケニア日本大使が開会スピーチを行うなど豪華な顔ぶれ。当方は閉会スピーチを行った。学術的な議論は主に一日目に行われ、二日目はウェレ教授関係者の社会活動の発表会という印象であった。普段地域で活動している一般市民の動機付けという意味合いもあろう。なお、配布用に100部以上準備した学振パンフレットは希望者が多く、全て配りきることができた。
もう一つ支援したのは、6月11、12日に西部州カカメガ町のマシンデムリロ科学技術大学が運営した学会である。マシンデムリロ科学技術大学は比較的新しい大学であり、今回の学会の目的は、表向きは「ケニアの発展のために科学技術を生かす」ということであったが、もう一つの目的は、ケニア全土から分野を問わず学者を集め、マシンデムリロ大学の名を売ることにあったように思う。本大学の重職の一人に学振東アフリカ同窓会役員が居り、今回の学会を支援することになった。
当方はあいにく11日しか参加できなかったが、運良く学振東京本部海外センター係長がケニアへ監査出張に来ており、当センターの活動を見ていただくちょうど良い機会となった。11日の最後に、学会主催者の好意で、学振の事業説明会を行わせていただいた。学振事業に関してはどこへ行っても関心が高いが、ケニアの問題点は博士が少ないことである。また、発展途上国では一般的に、称号を持つことが重視されており、博士になった後のことに対する関心がそれほど深まらないのも、学振事業の浸透を妨げる要因として考えうる。
今回のような行事を通じて学振の事業に興味を持ってもらい、センターへの問い合わせが増えてくれば、行事を支援した甲斐もあろう。今後とも、効果的な露出機会を探っていきたい。