ルーティン

更新日:2012/06/04

赴任以来1年あまりの私の生活パターン。

06時ごろには起きて、かんたんに準備をした朝食を摂る。パンよりもごはんのことが多い。米はウガンダ産のネリカ(NERICA; New rice for Africa!)を、Koreanの経営する精米所で買っている。06時前に起きて余裕のあるときは、玄関先でコーヒーを飲む。玄関は扉一枚だが その周りはporchのようになっていて、昼寝のできるソファが置いてある。そこに腰掛けて、夜明け前の薄明かりを見、動き始める街の音に耳を傾けながら好きな深煎りのコーヒーを淹れて飲む。

07時には、運転手のサリム氏がやってきて、自家用車に乗り込んでオフィスに向かう。もう30分おそく07時半に家を出ると渋滞につかまってしまうので、このタイミングに出るのがよい。サリムはかれの自宅から乗り合いmatatu(public bus)を使ってわが家までお迎えにやってくるが、イスラム教徒のかれも早起きで、朝早いと渋滞がなくていいと言う。07:30頃にはオフィスに到着。現在のオフィスはナイロビ大学の隣に位置する一軒家だ。大家はインド人宝石商だが、かれがまだ子どもの頃、家族とともに過ごした家屋だという。借り上げて以来37年が経つ。門扉の前までくれば、内から番犬が吠えたてる。夜警のエリアス氏が開門してくれる。ほかのスタッフが出勤してくるのは08:30だ。約1時間を自分の好きに使う。自分の研究でも、業務に早めにとりかかってもいい。この時間にはe-mailをみない方がいい。

08:30に始まり12:30の昼休み開始までの時間帯は、東京との連絡があればこれにあてる。ひたすらe-mail(ときどき電話)だ。あちらとの時差はマイナス6時間。つまりこちらが 08:30でもあちらはすでに14:30だから、11:00(東京時間の17:00)になるまでの2時間半にできるだけ片付ける。11:00から昼休みまでの1時間半は、e-mail処理(やそれに添付する書類作成)を続けたほうがよければ続ける。さもなくば、銀行など1時間ていどですむ外出をすませる。公用車で出かけるので、サリムを昼休み時間帯にまで拘束してしまったら気の毒だ。

昼休みには、おなかが空いていれば昼食をとる。オフィスには台所もついているが、ここで作るのはパスタくらいだ。来客とともに、隣のナイロビ大学の学食で食べることもある。朝食をがっつり摂って来た日には昼にはおなかが空かないので、個人的なe-mailを片付けたりする。たまに気が向いたら大学構内を散歩する。ナイロビ大学Chiromo構内には林があり、ゆっくり歩いていると気持ちがいい。ふだんは車に乗ってばかり、大学院生時代にウガンダ農村で一日中歩き回って調査していたときに比べればまったくと言っていいほど歩かないので、歩きたい。

14:00から17:30までの午後の勤務時間の使い方は、なかなか難しい。昼休みの後はダレやすいし、明日にしようという気分も起こりやすい。1時間を越えそうな外出の用事は午後の時間を使う。14時に出たとしてもオフィスに帰り着くのは16時近くになり、だいたいそれだけでほぼ午後の時間が終わってしまう・・・。外出の用事はいろいろある。まず、人に会うこと、会議に出席すること。これは週に1度、多いときで2度くらいある。番犬のエサなど決まった買い出しは秘書にまかせるが、一部公共料金の支払いなどを含め、銀行で済ませる用事は私にしかできない。できるだけ、ほかの細かな用事と抱き合わせにして外出の回数を週2度ていどにとどめたいものだが、なかなかそうもいかない。

オフィスに帰って来てからは、午前中の作業の続きか、帳簿管理。会計は苦手な仕事なので後回しにしてもいいと思い、午前中の作業の続きをすることが多い。ひとつの書類を作るのにも時間がかかる。30分間でできる、と思っていた書類がそのとおりにできることはまずない。1時間以上かかる。これは、書類を作っている最中にもこまごまとした用事が秘書やe-mailを通して入ってくるし、返事をし忘れていたe-mailのことを突然思い出したりするからだ。これらをすべて無視して進めることができればいいのだが、そうもいかない。ビジネスの極意はこういうとき、優先順位を決めよと言うが、そんなにかんたんに決まるものではないし、順位はその都度変動する。17時に秘書は退勤し、オフィス内は静かになるので、少し落ち着く。こうして、17:30の終業時には1日のtaskがすっきり終わったかんじはなく、しかし17時にはいくらか混乱したかんじであったのが、30分経過して整理はつかないもののあきらめがつく。

あきらめて明日にまわす場合には、潔く自家用車に飛び乗りサリムの運転で帰路に着く。中断の感が強く、明日にまわすよりはもうすこしやっておきたいという場合にはひとりオフィスに居残り残業する。終業時刻を過ぎれば、業務上の書類処理だろうが自分の研究だろうが集中してやれることをやり、あまり手に着かないようであれば帰る。19時以降に帰る場合には、運転手のサリム氏には帰宅してもらい、タクシーを呼ぶ。オフィスの近くにタクシー溜まりがないので、何度か使って電話番号を控えているなじみの運転手があって、かれを使う。かれはタクシーで稼いだ金で息子の学費を支払い、ナイロビ大学まで卒業させたという。立派なものだ。

帰宅してからも、まだ疲れ果ててはいないので夕食をつくる。誰か客がいるときには数種類のおかずを作るかもしれないが、自分ひとりだとかんたんにすませる。あくまで自分の食べたいもの、好きなものを食べる。Nairobiではたいていの食材が手に入る。帰宅が遅いときには食べ終わると23時近くになっている。もちろんそんなときでも読書や書き物をやろうと思いはする。しかし実際は居間のソファで少し横になっているうちに寝入り、朝を迎えるということもしばしばである。こうした中途半端な寝方は、寝入るまでは気もちいいが寝覚めがよくない。寝台で堂々と寝るべきだ。終業時刻とともに退勤、18時すぎくらいに帰宅した場合でも、ゆっくりと食事を作り、食べ終わったら20時を過ぎる。それからできることは多くはない。だけども、自分の研究時間は意地にならないと確保できない。この1年間、この20時から就寝までの3時間半ほどのゴールデンタイムを有効に使って来たとは言えない。それが課題だ。そう思いながら今日も24時前に就寝する。

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