新憲法公布その後

更新日:2010/11/12

11月に入り、前回の記事から2ヶ月以上も間隔が空いてしまいました。少なくとも毎月一回は書くつもりでしたので、反省です。

今年も8月、9月に多くの研究者に来ていただきましたが、例年より何となく少ない印象を持っておりました。訪問者数を集計したところ、延べ人数では案の定昨年に比べて約百人の減少だったのに対し、実人数はほとんど昨年と同じでした。この解釈を試みますと、日本の研究者が日本での所用に忙しく当地に長期間滞在するのが困難になった、ケニアの宿泊施設や通信状況が改善し当センターに来る必要がなくなった等の理由が考えられます。当センターは研究者同士の交流の場としての役割も重要だと考えております。気が向いた時はぜひお気軽にお立ち寄りください。

今年のケニア政界最大の焦点、憲法改正は大きな騒動を起こすことなく無事終了しました。8月27日の公布式典には国際刑事裁判所から逮捕状の出ている隣国の大統領も出席して議論を巻き起こしたものの、軍事パレード、ケニア各地の伝統舞踊、有名歌手の演技等が披露され、お祭り気分とともに、ケニア国民も時代の変化を感じ取っていたようです。祭りの後、政治家たちは一斉に再来年の選挙に向かって走り出しています。反汚職委員会の活動も活発で、すでに高等教育大臣と外務大臣が停職処分になり、ナイロビ市長に至っては逮捕されてしまいました。これも選挙をにらんだ動きなのか、しばらくケニア政界から目が離せません。政治好きのケニア人のこと、新聞は政治関連記事であふれかえっています。

ナイロビの治安状況については、なかなか実感として感じるのは難しいところですが、10月に在留邦人が日中カージャックの被害に遭い、金品を強奪される事件が起きました。以前から言われていることですが、たとえ日中であっても油断はできません。大使館によると、携帯電話のシリアルナンバーを控えておけば、犯人逮捕に役立つ可能性があるそうです。シリアルナンバーは購入時の箱に記載されているほか、 *#06# を押すことでも確認できます。いつ被害に遭っても不思議ではないナイロビの街です。ぜひお控えください。

今回の小雨季はラニーニャの影響で少雨、旱魃が予想されていましたが、3週間ほど前からナイロビではよく雨が降っています。学振前のジャカランダの花もほぼ散ってしまい、クリスマス、正月の近いことを知らせてくれます。よく作物が育ち、多くのケニア人が幸せな年末年始を迎えられることを願っています。

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