更新日:2015/02/02
発表題目:自転車競技選手として生き抜こうとするケニアの若者たち―スポーツを考える―
日時: 2015年2月9日(月) 14:00 ~ 16:00
場所: JSPSナイロビ研究連絡センターセミナー室
演者: 萩原卓也氏 (京都大学大学院 人間・環境学研究科 博士後期課程)
今回は、京都大学大学院 人間・環境学研究科の萩原卓也氏をお招きします。萩原氏は、ケニア首都郊外に共住し協同で生活を送る自転車競技選手集団を対象にして、長期住み込み調査を実施してきました。競技参加によって生計を立てることで、集団を維持している自転車競技選手たちが、どのような方法で小集団を維持しているのかについて人類学的に考察して頂く予定です。より具体的には、競技参加のために課せられる食事制限や苛酷な訓練による身体や感覚の変容などに焦点を当てることで、肉体に与えられた苦痛の共通経験を媒介にしてうみだされる集団の動態について考察していただきます。そこでは、文化人類学、社会人類学で長年議論されてきた禁忌・禁止の生成とその発生起源が論じられるはずです。個人的には、人類学の言説が19世紀の誕生期から抱えてきた、根っこの問題、すなわち儀礼的禁止と群れの発生の問題が根源的なレヴェルで考察されるのではないかという強い期待を抱いています。
多数の参加をお待ちしております。